6月1日から円と人民元の直接取引がスタートし、日中貿易や投資の代金決済プロセスにドルを介する必要がなくなりました。

その結果、新華社電の中国の経済専門家の見方では、昨年の日中貿易額3,449億ドルから試算すると年間で30億ドル(約2,350億円)の為替手数料が節約できるとのことです。

これまで元から円への両替では、まず、ドルに両替しその後ドルから円に両替していましたから、為替手数料や手間が2倍掛かっていました。

しかも、元と円には関係の無いドル相場の影響を受けるという不都合が有った訳です。

取引初日の1日に中国人民銀行が上海市場で設定した元の対円取引基準値は100円=8.0686元、1元=12円39銭で終値は100円=8.1298元、1元=12円30銭でした。

この直接取引には初日から、三菱UFJフィナンシャルグループの三菱UFJ銀行とみずほフィナンシャルグループのみずほ銀行と三井住友フィナンシャルグループの三井住友銀行が参加を表明しており、上海での取引も各行の現地法人が対応するとのことです。

具体的な円と人民元の直接取引の仕組みは次のような2ウェイ方式です。

まず、東京市場では企業や個人から銀行が注文を受け付け、円と元の交換レートを提示して直接売買します。

勿論、東京市場では円と元の需給関係で自由に交換レートは変動します。

一方、上海市場では中国政府が指定する銀行が、交換レートの平均値を毎朝公表します。

しかし、銀行はこの平均レートの上下3%の範囲内でしか取引できないという値幅制限が設けられています。

従って東京市場に於いても、この値幅制限を大きく越えるレートでの取引は実質的には行い難いことになります。

まだまだ実需要のみの取引のオンショア人民元より取引自由なオフショア人民元で為替差益+スワップポイントを狙った取引が現実的です。